05.患者さん情報の共有 ~電子カルテとカンファレンス~

複数の医師が、各々の個性を生かしながら、チームとして患者さんに可能な限り質の高いサービスを提供することがグループプラクティスの目標です。 そのために最も重要なことの一つが情報共有だと思っています。
 医師はそれぞれ、経験や得意とする技術、診療方法などが異なります。私たちは背景の異なる医師が協働して診療を行う時に、 患者さんに関する情報だけでなく知識や価値観の共有も必要だと考えています。

ただし、患者さんの情報を共有するだけでも簡単ではありません。病院のように同じ場所で働くことができればいいのですが、 在宅医療では異なる患者さんの家で診療しています。また、私たちは基本的に主治医制をとっていますので、主治医と患者さん・ご家族が共有している情報を、 他の医師も共有するためには仕組みが必要になってきます。

さらに、患者さんの医学的な情報だけでなく、心理的なこと、社会的なこと、家族のこと、希望など、できるだけ多くのことを共有したいと思っています。 そのために私たちが実践しているのがカンファレンスとITの活用です。

まず私たちは、電子カルテを用いて患者さん情報の要約を作成しています。患者さんの医学的、心理的、社会的な問題などを一覧でき、それを見れば、 どういう家族と一緒に住んでいるか、患者さんは何を望んでいるのか、ご家族の方はどんなご意見をお持ちかということを理解できます。

同時に、毎日朝夕にカンファレンスを行い、その日に起こった状況や見通しなどを共有しています。主治医が日中の訪問診療で得た患者さん情報をまとめて報告し、 全員で共有します。特に緊急対応が予想される患者さんを優先し、診療方針や本人・ご家族の意思、介護の状況なども確認しながら進めています。

夜間・休日の対応は持ち回りで、当番の医師はどの患者さんからも電話を受ける可能性がありますが、実際には診察したことのない患者さんからでも、 電話を受けた時点で、カンファレンスで話していた内容が思い浮かびます。それから電子カルテを開き、要約や最近の状況を確認すると、かなりのイメージがわいてきます。 主治医の意向を確認し、患者さんの思いを汲んだ診療を行い、主治医、患者さん、当番の医師全員が満足できることができれば持続的な仕組みとして機能すると考えています。

この電子カルテシステムは、三つ葉独自に開発しています。在宅医療に対する私たちの想いや考え方、日々の診療で必要だと感じたことを一つずつ、 形にして盛り込んできました。入力システム、要約機能などには、医師の現場でのアイデアが色々と表現されています。 (2008年/舩木良真)