06.現場での意思決定を支えるIT ~「いつでもすぐに」情報共有~

私たちのグループプラクティスの目的は、患者さんに「いつでもすぐに」という価値を提供すると同時に、医師が時間を有効に使い、 やりがいを持って働けるようにすることです。

それを実現するための手段として、大きな力を発揮してくれるのがIT(情報技術)です。ITには、携帯性、検索の便利さ、 情報伝達の即時性などさまざまな特長があります。患者さんの情報を共有するだけでなく、その情報を「いつでもすぐに」、どこにいても取り出すことができ、 どの医師がどの患者さんを診ても、同じように現場で意思決定できるようにするために、ITを活用しています。

在宅医療では、患家は地域内に分散しており、医師は常に移動しながら診療を続けています。診療所にいる事務スタッフとも離れており、 情報があちこちに分散している状態です。

しかし電子カルテに分散した情報を整理・統合することで、離れたところにいる人間がリアルタイムで情報を共有することが可能になりました。

各医師は、診療の現場で患者さんについてさまざまな情報を入力します。その蓄積された情報を、小さなパソコンひとつで持ち運ぶことができ、 必要に応じて検索し、引き出すことができます。また携帯電話を使って、診療所との電話やメールのやりとりもスムーズに行えます。

電子カルテと携帯電話、それに車があれば、医師は夜間当番の際に、診療所に泊まらなくても、自宅待機で対応できるようになります。

さらにITの活用は、医師の診療以外の業務にかかわる負荷を軽減することにも役立ちます。

例えば、電子カルテに、医師が診療現場で入力するデータにはさまざまな情報が関連づけられており、簡単な作業でさまざまな診療データを集計し、 診療分析や臨床研究を行えるようになっています。しかも、メンバー全員が同じ情報を共有できます。

患者さんの情報だけでなく、自分自身の仕事を可視化し、かつ他のメンバーや診療所全体の状態を把握できるようになれば、 各医師が自律的に、時間を有効に使いながら働けるようになると考えています。

ITシステムは、患者さんの「いつでもすぐに」というニーズに対応し、医師が休みを確保しつつ、一緒に働いていくために非常に有効なものだと考えられます。(2008年/舩木良真)