02.診療の質を担保する電子カルテ ~患者さん中心の医療~

ITシステムの根幹に位置するものが電子カルテで、三つ葉独自に開発しています。私たちの想いをかたちにするため、 在宅の現場に精通した医師が力を合わせて、より良いシステムを創りたいと考えています。
 在宅医療は、患者さんの生活の場で提供される医療として、患者さんの価値観を大事にしていますので、治療方法の選択に際して患者さんが関与できるのが理想です。 そのために、患者さんにとって意味のある情報がきちんと提供されている必要があり、患者さんの意思決定を支えるための情報提供に、ITは大きく貢献します。

たとえば、ITで実現できる機能の一つに「診療レポート」があります。

三つ葉の医師は常に、小さなパソコンとプリンタを持って訪問しています。患者さんの症状、所見、処方内容、医師の助言などを診療現場で書き込み、 これを診療レポートとして印刷し、その場で患者さんに渡します。誰が見てもわかるように、専門用語を使わずに患者さんの言葉で書くことを心がけています。 このレポートはご家族や訪問看護師、介護職など他の連携スタッフとも共有し、介護スタッフがサービスを提供するうえでも参考にしていただけることを目指しています。

患者さんは医師が言ったことを他の人に伝えることが難しい時があります。しっかりと所見や助言内容を記録に残し、 それを患者さん・医師の双方が持っていて、さらには必要な時に検索してすぐに内容を参照することができれば、患者さんも理解しやすくなり、 双方ともに意思決定の質が上がるのではないかと思います。

また、情報が患者さんの家にあるということも大きな意味を持っています。在宅医療は密室医療と言われることがあります。 たとえば認知症で独居の患者さんを診察したときに、医師がどのような診療を行ったか、ご本人は離れて暮らすご家族に説明することができません。 私たちが診療レポートを印刷し、患者さんの手元に置くことで、それをご家族や介護の方が見て内容を把握することができます。

診療レポートを通じて、多くの人が患者さんの意向や状態を理解することによって、在宅医療の質が担保されるといいなと考えています。

電子カルテを活用して、患者さんや地域のスタッフが必要な情報を得られることで、「医師中心」の病院医療とは一味違う「患者さん中心」の医療、 双方向のコミュニケーションを実現できることを期待しています。 (2008年/舩木良真)